2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J03404
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本多 渉 京都大学, 化学研究所, 特別研究員DC1
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Keywords | Immune system / antigen / autoimmune disease / virus / peptide / CD1 / lipid antigen / bacteriophage |
Research Abstract |
本年度は主にヒトとヒト感染ウイルスの共通ペプチドについて、その配列の特徴及びタンパク質の機能について解析した。 その結果、特に全身性の自己免疫疾患について顕著に共通ペブチドを含むことを示し、またこのような共通ペプチドは進化の過程でヒトからは通常無くなっていると考えられるデータも得た。すなわち、ウイルスと共通の配列が残っていると、疾患の原因となりうるが、それを進化の過程でなくすことで免疫反応が起こることを未然に防いでいるということが示唆される。 また自己免疫疾患でターゲットとなる自己抗原について文献及びWEBからデータを収集した。現在で、組織特異的、及び全身性自己免疫疾患合わせて2500のタンパク質(ファミリーの数では約150)をデータとして集めた。またこれらのタンパク質で疾患の種類は約70種類をカバーしている。 糖脂質抗原を提示するCD1分子については、その細胞内局在と、感染バクテリアのtropismについての関連性を明らかにした。ヒト細胞では抗原提示分子CD1は5つが知られている。これらのうち実際に抗原を提示するのは4種類で、いずれも細胞内での局在が異なっていることが知られていたが、これらの局在情報が、各分子が提示する糖脂質抗原を持つバクテリアの感染する細胞内小器官と一致していることを示した。 またホスト・ウイルスの関係の解析の一環として、バクテリアとそのファージについても解析し、GC含量、及びアミノ酸組成についてホストとの関連性を解析した。現在までに全ゲノム配列が決定されているバクテリアは300を超えているが、それらのうち、感染するファージのゲノムも同様に明らかにされているものの数は約50である。今回はそれらのバクテリア50とファージを用い、全200ペアについてGC含量及びアミノ酸 組成と配列類似性について解析した。その結果、ホストのGC含量はファージとほぼ完全に一致していること、またアミノ酸組成についてはホストと配列類似性が高い程、相関していることが分かった。
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Research Products
(1 results)