2007 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体関連分解に関わるタンパク質と相互作用するタンパク質の検索と解析
Project/Area Number |
06J03415
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
潮田 亮 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 小胞体関連分解 / レドックス |
Research Abstract |
小胞体内の品質管理には不要となったタンパク質を分解する機構(小胞体関連分解)が存在する。特に糖タンパク質の小胞体関連分解においては不要タンパク質を糖鎖の形で認識するレクチンが重要な役割を果たしている。当研究室でクローニングされたEDEMは分解基質を認識するレクチンとして報告されたが、詳細な機構については不明な点が多い。私は新規ER Two-hybrid systemであるER MYTHS (ER Membrane Yeast Two-hybrid System)を用い、小胞体内腔でEDEMがERdj5と結合することを見出した。またERdj5は4つのチオレドキシン様ドメインと1つのJドメインを有する小胞体内腔タンパク質である。ERdj5の還元活性が分解基質のジスルフィド結合を解離し、分解を促進することを示した。またERdj5のsiRNAを設計し、細胞内でERdj5をノックダウンする系を確立し、ERdj5のノックダウンによって基質の分解遅延およびジスルフィド結合を介した高分子複合体の蓄積が観察された。小胞体内はサイトゾルと比較し酸化的な環境に維持されているため、今まで還元酵素の存在は明らかにされていなかった。さらにERdj5のJドメインも基質の分解促進に影響を与えることも示した。Jドメインは小胞体の主要な分子シャペロンBiPと結合し、BiPのATPase活性を促進することが知られている。このことからERdj5-EDEM-BiPの三者複合体がジスルフィド結合をもつ基質の分解を効率の良いものにしていることを示した。このことは小胞体関連分解における新しい機序として、当分野において大きなインパクトを与えると考えている。
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Research Products
(4 results)