2007 Fiscal Year Annual Research Report
三次元電磁粒子モデル計算機実験による宇宙飛体プラズマ電磁環境の研究
Project/Area Number |
06J03422
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三宅 洋平 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 宇宙プラズマ / 電界アンテナ / 計算機実験 / 電磁粒子シミュレーション / アンテナ実効長 / 光電子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、衛星・プラズマ間相互作用によって変化する宇宙電磁環境をモデル化し、それらが衛星に搭載された波動観測用アンテナ特性に及ぼす影響を粒子モデル計算機実験により解析することである。 平成19年度は、粒子モデル計算機実験でアンテナによるプラズマ波動の受信を直接模擬する手法を新たに開発した。非一様なプラズマ環境中ではアンテナ送受信の可逆性は厳密に証明されておらず、受信アンテナを直接模擬するシミュレーションが必要となっていた。新たに開発した手法ではシミュレーション初期に領域全体にプラズマ波動をセットアップし、これを伝搬させ領域内に置かれたアンテナで受信する様子を模擬する。これはプラズマ中に存在する様々な波動モード(静電または電磁)に対して適用できる手法であり、現在は特にラングミュア波とホイッスラー波に対する受信特性に着目している。 この手法を利用し特性プラズマ波動観測において重要な特性であるアンテナ実効長の解析を開始した。初めに単純なダイポールアンテナでアンテナ長に比べ長波長のプラズマ波動に対する実効長を求めることにより、本手法の妥当性を確認した。次に水星磁気圏探査衛星BepiColombo/MM0に搭載予定の電界アンテナに着目し、実効長の解析を行った。このタイプのアンテナはこれまでの衛星搭載用アンテナと異なり、衛星から離れた位置にある「パック」と呼ばれる箱からアンテナが伸展されており、理論モデルが適用しにくい複雑な構造となっている。計算機実験による初期結果としてこのタイプのアンテナの実効長は従来のダイポールアンテナより長く、両側のアンテナ間距離程度となることを見出した。
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Research Products
(5 results)