2008 Fiscal Year Annual Research Report
三次元電磁粒子モデル計算機実験による宇宙飛翔体プラズマ電磁環境の研究
Project/Area Number |
06J03422
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三宅 洋平 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 宇宙プラズマ / 電界アンテナ / 計算機実験 / 電磁粒子シミュレーション / 光電子 / インピーダンス / 実効長 |
Research Abstract |
本研究の目的は、衛星・プラズマ間相互作用によって変化する宇宙プラズマ電磁環境が、衛星に搭載された波動観測用アンテナ特性に及ぼす影響を、粒子モデル計算機実験により評価・解析することである。 平成20年度は、将来磁気圏探査衛星ミッションにおいて広く適用が期待されるパック式電界アンテナの数値モデリングと特性解析を行った。特に、太陽光照射によって衛星筐体から放出される光電子が、電界計測に及ぼす影響を軽減するために設けられるガード電極・バイアス電流回路の数値モデルを開発し、実際の動作を模擬可能であることが確認された。上記の機構は主に定常電場計測用に最適化されているため、波動電界に対する振る舞いや性能を調査する必要がある。 開発した数値モデルを用い、計算機実験解析を行ったところ、上記機構はアンテナ周辺の定常プラズマ環境、特に光電子の空間分布を大きく変化させることがわかった。しかし、波動受信時のアンテナ特性としては、実効長・インピーダンスともに上記機構の顕著な影響は見られなかった。一方で、多数の導体要素から構成されるパック式アンテナでは、先端のセンサー以外の導体要素からの放出光電子による、アンテナインピーダンス特性変化が見出された。以上の結果から、本計算機実験手法が複雑な光電子環境中でのアンテナ特性定量評価において有力であるとともに、数値ツールとしてガード電極やバイアス電流回路の最適設計にも貢献可能であることが示された。
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Research Products
(6 results)