2006 Fiscal Year Annual Research Report
三次元電磁粒子モデル計算機実験による宇宙飛翔体プラズマ電磁環境の研究
Project/Area Number |
06J03422
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三宅 洋平 京都大学, 生存圏研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 宇宙プラズマ / 電界アンテナ / 計算機実験 / 電磁粒子シミュレーション / アンテナインピーダンス / 光電子 / プラズマシース |
Research Abstract |
本研究の目的は、衛星帯電・シース形成など衛星・プラズマ問相互作用によって変化する宇宙電磁環境を解析し、それらが衛星に搭載された波動観測用アンテナ特性に及ぼす影響を粒子モデル計算機実験により定量的に評価することである。 平成18年度は、非プラズマ物体が存在するシミュレーションにおいても電荷連続式が正しく満たされるための手法を新たに3次元電磁粒子コードに取り入れ、衛星近傍での静電界の発展をより精確に解き進めることが可能となった。また、電磁界とプラズマ粒子運動を解き進めるタイムステップ幅を独立にとることにより、計算コストの大幅削減に成功し、現実的な背景プラズマ電子および光電子パラメータを用いたシミュレーションを行うことに成功した。以上のコードを用い、マグネトシース内のプラズマ環境と、衛星表面から光電子が放出される状況を想定した解析を行った。衛星の太陽光照射面付近にのみ光電子による高密度電子雲が形成されるため、衛星・アンテナの表面には極めて非一様なプラズマ環境が形成される。この環境下で、電子プラズマ周波数近傍でのアンテナインピーダンスを求めたところ、ある特性周波数以下の周波数域においてインピーダンスの実部は上昇し、虚部の絶対値は真空中の特性に比べ減少することが確認された。この数値結果をインピーダンス等価電気回路の観点から見ると、キャパシタンスと抵抗の並列回路によって表現されることを見出した。またこの抵抗値が電子雲の密度や背景磁場の強度に依存していることも確認した。これにより、高密度電子雲による導体間導電電流がインピーダンスの変化に寄与しうることが示された。今後は衛星筐体およびアンテナのモデルをより現実的なものとするため、非一様グリッドの導入などシミュレーション手法の改良をさらに進めていく。また、イオンの効果が重要となるような低周波域でのインピーダンス解析を行っていく。
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Research Products
(2 results)