2007 Fiscal Year Annual Research Report
プラスチド局在型イソプレノイド系二次代謝の制御と生理機能
Project/Area Number |
06J03424
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 佳菜子 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フラボノイド / プレニルトランスフェラーゼ / 膜タンパク質 / マメ科 / ジメチルアリルジリン酸 / ナリンゲニン / 分子生物学 / 酵母 |
Research Abstract |
本年度は、1年目に単離したSfN8DTの分子生物学的解析を行った。Sf8DTの発現解析を行ったところ、クララ植物体において、SfN8DTは根の形成層より外側の組織で特異的に発現していることが分かった。またHPLC分析より、プレニルフラボノイドは根の形成層より外側の組織のみに蓄積し、Sf8DTの発現の見られない内側の組織や地上部では蓄積が見られないことが分かった。これらの結果から、クララにおけるプレニルフラボノイドの生合成は根の形成層より外側の組織のみで行われ、そのままそこに蓄積されることが明らかとなった。 次に、SfN8DTの細胞内局在をGFP融合タンパク質を用いて調べた。SfN8DTとGFPの融合タンパク質は、プラスチド局在のタンパク質、イソプレン合成酵素と同様のドット状の局在を示した。このことから、細胞分画によるnativeなN8DT酵素活性の局在と一致し、SfN8DTの細胞内局在はプラスチドであることが示された。 さらにシロイヌナズナにSfN8DTを高発現させ、プレニルフラボノイドの含量を測定した。その結果、形質転換体において、8-dimethylallyl kaempferol(8DK)が生成していることが確認された。シロイヌナズナでは、kaempferolやquercetinが主たるフラボノイドであり、SfN8DTの基質であるnaringeninはほとんど検出されない。そこで、培地にnaringeninを添加し含量測定を行ったところ、形質転換体から8DKの他に8-dimethylallyl naringeninが検出された。さらに形質転換体特異的にquercetinやapigeninのジメチルアリル体と精密質量が一致するピークも検出された。この結果から、様々な植物においても、基質の添加と本遺伝子によりプレニルフラボノイドを生産させることが可能となることが証明された。
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Research Products
(6 results)