2007 Fiscal Year Annual Research Report
サイクリンB1遺伝子がM期における発現抑制を免れる機構
Project/Area Number |
06J03440
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
霧生 尚志 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞周期 / 細胞分裂(M期) / S期 / 転写 / 翻訳 |
Research Abstract |
相同組換えを利用した,安定発現株の作成とその展開について. 前年度では、レンチウイルスベクターを用いてさまざまな遺伝子の安定発現株を得ようとしたところ、細胞周期の異常(S期の進行が遅れていた)が生じた.ところが,今年度に,レンチウイルスベクターを用いずに安定発現株を得ても同じ異常が観察された.しかし,同時に数は少ないが,異常を持たないクローンも取得できた.この異常をもつクローンと異常を持たないクローン間で,どのような差異があるのかをフローサイトメータを使用して調べたところ,異常のあるクローンと異常のないクローン間では細胞集団に違いが認められた.すなわち、ある表面抗原を持たないクローンはS期の進行が速いことがわかった.全ての細胞がこの表面抗原を持つようなクローンは存在せず,ヘテロな集団である場合は細胞周期に異常は見られなかった.つまり,この表面抗原をを持たない細胞集団のみがクローニングされた結果、S期の進行が異なるようになったことがわかった. クローニングを施していない細胞集団は,二つのクローンが混在したヘテロな集団であった.このように,培養細胞であってもヘテロであることは他の培養細胞系であっても報告があり,特別というわけではない.ただし、サイクリンB1遺伝子のM期の翻訳に関しては両者で差がないので、引き続き研究を進めていく予定である.サイクリンB1遺伝子のM期での転写に関してはクローン間で比較していないが,並行してS期の進行に関しても調べようと考えている.
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