2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規に単離したHIV抑制宿主因子の作用機序解明とエイズ治療法への応用研究
Project/Area Number |
06J03444
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
芳田 剛 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | CXCR4 / CD63 / 細胞内輸送 / 分子相互作用 / BiFC法 / タンパク質のグリコシル化 |
Research Abstract |
本研究代表者は、CD63のN末端領域欠損変異体遺伝子(CD63ΔN)を細胞に発現させると、HIV-1の補受容体であるCXCR4の細胞膜への輸送を阻害すること、その結果、HIV-1の感染を阻止できることを見出した。また、免疫沈降法によりCD63ΔNとCXCR4は細胞内において相互作用することを示した。 そこで、CD63変異体によるCXCR4分子の細胞膜への輸送阻害機序を明らかにするために、Bimolecular fluorescent complementation法(BiFC法)を用いて、両分子が相互作用する細胞内小器官が主にゴルジ体であることを見出した。一方、CD63分子はゴルジ体にてアスパラギン結合型糖鎖が修飾されることが知られているため、CD63ΔN導入細胞を糖鎖付加酵素の阻害剤(ツニカマイシン)にて処理したところ、CD63ΔNにより消失していたCXCR4の表面発現量が半分程度回復した。そこで、CD63ΔNの糖鎖結合部位である3つのアスパラギン残基を置換した変異体(CD63ΔN NGDM)のCXCR4のダウンレギュレーション活性能を検討したところ、そのダウンレギュレーション活性はほとんど失われていた。すなわち、CD63分子の糖鎖修飾の重要性が判明した。次に、CD63ΔN NGDMとCXCR4との相互作用をBiFC法により評価したところ、両分子の結合を示すシグナルは半減し、さらにここで認められるシグナルのほとんどはゴルジ体と共局在しないことがわかった。これらの結果は、CD63ΔNとCXCR4との相互作用は糖鎖を介してゴルジ体内にて生じ、この相互作用が生じたときにCXCR4の細胞膜への輸送過程が阻害されることが示唆された。私は、ゴルジ体における膜タンパク質局在を決定する選別機構のひとつとして、糖鎖を介した相互作用が重要であることを実験的に示し、現在これらの結果を学術論文としてまとめ、投稿の準備を行っている。
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Research Products
(4 results)