2007 Fiscal Year Annual Research Report
金属表面に施されたセラミックス・金属間化合物コーティング層の破壊挙動解析
Project/Area Number |
06J03463
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩本 壮平 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | コーティング / 亜鉛めっき / 有限要素 / 界面 / 表面処理 / 破壊 / はく離 / FEA |
Research Abstract |
本研究では自動車のボディ用鋼板として多くの需要があるGA鋼板,および今後実用化が期待されているコーティング超伝導材料について,試料の力学試験および観察から得た結果とコーティング層の多重破断・はく離をモデル化した有限要素解析を組み合わせることで,コーティング材料全般に適用可能な力学的解析手法を構築し,破壊の予測法を考案するとともに最適な幾何学構造を設計・提案することを目的とする. 本年度はGA鋼板試料について,コーティング層はく離のごく初期段階での挙動の精細な観察,解析を行い,1.まずクラック部ではく離が発生し,その後はく離領域がコーティング層中央へ進展し,コーティング層中央のはく離後は急速にはく離距離が増大するというはく離プロセスを明らかにした.また新たに発見した,コーティング層の多重破断時のクラック間隔を短くすることによるはく離の抑制効果について解析を進め,2.引張方向のクラック間隔ははく離の開始するひずみに大きく影響を及ぼすこと,および3.試料幅方向のクラック間隔は全体のはく離プロセスの進行度合に大きく影響を及ぼすことを明らかにした.さらに近年の車体軽量化による燃費向上というニーズに応えるため基材を高強度化した際のコーティング層破壊に及ぼす影響について,4.基材の高強度化によりコーティング層内部の発生応力が大きくなり,多重破断のクラック間隔が短くなること,および5.高強度化自身はコーティング層/基材界面で発生するはく離応力に影響を与えないが,クラック間隔が短くなることで結果的にはく離が生じにくい応力状態になることを明らかにした. 他方コーティング超伝導材料については,SPring-8にて室温および液体窒素温度における格子ひずみ測定を行い,熱残留ひずみの評価に必要なデータの収集を行った.
|
Research Products
(9 results)