2006 Fiscal Year Annual Research Report
イスラームの祈り-プラチックとしてのクルアーンをめぐる人類学的研究
Project/Area Number |
06J03646
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小杉 麻李亜 立命館大学, 大学院先端総合学術研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | クルアーン / 祈り / 読誦 / 宗教儀礼 / 文化人類学 / アラブ / インドネシア |
Research Abstract |
本研究課題に関する今年度の具体的内容は、(1)博士論文の進捗、(2)クルアーン読誦関連、(3)クルアーンの邦訳関連、(4)クルアーン・グッズ関連、(5)祈り理論、に大別できる。 (1)では、前年度提出した博士予備論文(修士論文相当)を継承し新たな分析を加え、2つの口頭報告をおこなった(日本中東学会の「文化装置論的アプローチから見たクルアーン」、日本文化人類学会の「イスラームの祈りをめぐる人類学的検討」)。また、人類学の枠組みを越えた資料の活用という観点から、「イスラームの祈りはとらえうるか」を寄稿した。 (2)では、国立民族学博物館共同研究プロジェクト「アラブ世界における音文化のしくみ(研究代表:堀内正樹)」に共同研究員として参加し、アラブ音楽と読誦の関連性についての考察を進めた。中部大学を訪問し、読誦学関連の稀覯文献の調査、意見交換をおこなった。8月にインドネシアで全国読誦大会の調査をおこない、11月にインドネシアの読誦家の来日リサイタルの調査をおこなった。前者の成果を『文化人類学』、後者の成果をJournal of Qur' anic Studiesに投稿予定である。 (3)では、国際学会で口頭報告をおこない(韓国中東学会、ソウル)、各国の研究者から貴重なコメントをもらった。 (4)では、敬和学園大学を訪問し、中国雲南省で収集されたグッズに関しての意見交換をおこない、地域間の比較研究を開始した。その成果の一部は『月刊みんぱく』6月号に掲載予定である。 (5)に関しては、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究プロジェクト「マルセル・モース研究--社会・交換・組合(研究代表:真島一郎)」に共同研究員として参加し、モースの<祈り>論に関する理論的検討を進めた。 『ワードマップ イスラーム』に執筆者として参加し、(1)、(2)、(4)に関連したものを含めた計5本の論考を担当した。
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Research Products
(2 results)