2006 Fiscal Year Annual Research Report
sd-pf殻領域の安定・不安定原子核におけるクラスター相関と分子的構造の研究
Project/Area Number |
06J03703
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木村 真明 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 原子核構造 / 不安定核構造 |
Research Abstract |
4つの研究課題、1、32Sの超変型状態の高スピン状態の構造 2、36Ar,40Caの超変型状態 3、O, Ne同位体の分子構造 4、中性子過剰F同位体の分子構造 を予定していた。2〜4、に関しては十分な成果を挙げることができた。また1、に代え、緊急課題である5、N〜20核での魔法数の破れ のテーマで研究を行なった。具体的成果、知見は以下の通り。 2、角運動量射影後に変分を行なう模型による研究を世界に先駆けて行なった。i)36Arの超変型状態は角運動量の変化に伴い核の変形が大きく変化すること ii)それにより、既知の実験データが再現できること を明らかにした。学術雑誌に投稿中。また、^<40>Caの通常変形、超変型状態においてクラスター構造が重要な役割を果たしうることを明らかにした。学術雑誌に投稿準備中。 3、^<22>Neの励起状態において、分子軌道構造、分子構造の二種のクラスター構造が現れることを予言し、またそれを示唆する実験データが既に存在することを指摘した。学術雑誌に掲載済。また、O同位体の励起状態にαクラスター構造が系統的に表れること、中性子数の変化に伴い様々なαクラスター構造が現れることを予言した。学術雑誌に投稿準備中 4、F同位体を通じてαクラスター構造が現れ、特に^<21,23>Fでは分子軌道構造を持つこと、また、中性子数の増加に伴い、αクラスター状態の励起エネルギーが非常に低くなることを予言した。学術雑誌に投稿準備中。 5、パリティ、角運動量射影を行なうことで、^<31>Mgの基底状態の異常な性質が説明できること、この原子核ではN〜20魔法数が破れていることを示した。学術雑誌に掲載済。また、Mg同位体の低励起状態の構造を系統的に調べ、それらの性質、電磁、β遷移確率などの結果をまとめた。学術雑誌に投稿準備中。
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