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2006 Fiscal Year Annual Research Report

マルハナバチの株訪問頻度や株間移動の方向に影響を与える要因の解明

Research Project

Project/Area Number 06J03737
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

牧野 崇司  筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 特別研究員(PD)

Keywordsポリネーター / 採餌戦略 / 送粉生態学 / 送受粉 / クロマルハナバチ
Research Abstract

背景と目的:蜜や花粉を求めて植物株間を飛び回る送粉者の移動経路は、花粉の移動先を決定する重要な要因である。そのため多くの研究が送粉者の移動経路を調べてきたが、その観察の殆どは「水平面」でしか行われていない。しかし植物は、高山などの「斜面」にも生える。斜面では、水平面と異なり、移動に上りと下りが含まれるため、送粉者の移動経路に方向性が生じるかもしれない。移動の方向が偏れば、花粉の移動も偏ることになる。そのため、この問題は槙物の繁殖にとって重要である。そこで、傾斜がハチの移動に与える影響を解明することを目的として、以下の室内実験を行った。
実験内容:実験は、網製ケージ内に設けた縦横1.8mの斜面に人工花を配置して行った。人工花は斜面上のどの方向から見ても同じ形に見えるように球形とし、1花を1株として、32cm間隔の格子状に並べた。そして、クロマルハナバチを巣から1個体ずつ放し、水平から垂直まで、5段階の傾斜角における移動の方向を調べた。
得られた知見:実験の結果、傾斜が急になるほど、真下への移動が減少することがわかった。一方で、下への移動の減少を補うように、ななめ下方向への移動が増加した。こうした傾向は殆どのハチ個体に共通していた。しかし、上方向と横方向の移動の割合には個体差が見られ、移動が上方向に偏る個体から、横方向に偏る個体まで観察された。以上の結果は、傾斜の急な斜面に生える植物ほど、真下への送粉量が減少することや、訪れるハチ個体によって花粉を運ぶ方向が異なる可能性を示唆する、新たな知見である。
今後の展開:移動方向が制限される傾斜では、送粉者の採餌速度(時間あたりの蜜獲得量)が低下することが予測される。そして、送粉者の採餌場所選択に、傾斜が影響する可能性があるかもしれない。今後は、採餌速度に着目し、実験で得られたデータをもとにさらなる解析を行う。

  • Research Products

    (1 results)

All 2007

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] How do floral display size and the density of surrounding flowers influence the likelihood of bumble-bee revisitation to a plant?2007

    • Author(s)
      牧野崇司
    • Journal Title

      Functional Ecology 21

      Pages: 87-95

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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