2006 Fiscal Year Annual Research Report
タスク形式が英語リスニングテスト得点へ与える影響:量的および質的分析を通して
Project/Area Number |
06J03782
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
印南 洋 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | タスク / リスニング / 量的分析 / 質的分析 / テスト / 多肢選択式 / 記述式 / 要約穴埋め式 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「タスク(出題)形式」」が「英語リスニングテスト得点」にどのような影響を与えるかを調べることである。具体的には、テスト得点に注目した量的分析に加え、受験者の回答過程を重視した質的な観点からの分析を行う。また、分析はリスニング熟達度レベルが低い学習者から高い学習者を対象にレベルごとに行う。この分析を行うことにより、リスニング熟達度レベルに応じ、学習者のリスニングテスト得点のより妥当な解釈の仕方が可能になる。2年計画の初年度の目的は、タスク形式が英語リスニングテスト得点へ与える影響を量的に調べることである。 研究方法は、以下3点である。第1に、2種類のリスニングテストを使用する。1つ目はリスニング熟達度を測るテスト、2つ目はタスク形式を変えたリスニングテスト(多岐選択式[MC]、記述式[OE]、要約穴埋め式[SG])である。両方のテスト共に、ケンブリッジ英検から採択した。これら2つのテストを468人の日本人大学生に実施する。第2に、Messick(1996)の妥当性の枠組みを包括的に使用し、使用したテストの妥当性検証を行う。第3に、受験者の回答データ分析を、統計的手法を用い量的に分析する。 研究の結果、以下の3点が分かった。第1に、MCはOE・SGよりも常に容易であった。第2に、より難しいテキストではOEはSGよりも常に容易であった。第3に、より容易なテキストでは受験者の熟達度が低い場合、OEはSGの難易度順はテキストの難易度と受験者の熟達度によって変わった。1点目・2点目は受験者のリスニング熟達度に関わらず見られた。研究成果は、論文として執筆中である。
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