2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J03802
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
渡部 靖之 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 活動銀河中心核 / 爆発的星形成活動 / 質量降着 / 中間赤外スペクトル |
Research Abstract |
銀河の中心が活動銀河中心核(AGN)として明るく輝くためには、物質を銀河中心まで運ぶ必要があるが、物質を銀河中心へ運ぶ物理メカニズムは、これまで明らかにされていない。近年、AGN周囲には様々な領域で爆発的星形成活動が観測されはじめており、これらがAGNの活動性と関連をもつことが示唆され始めている。このAGNと爆発的星形成活動の物理的な関係を明らかにするためには数値シミュレーションによる研究が必要となるが、現状では観測的な傾向が不十分であるため、数値シミュレーションを行う際のモデル化が困難な状況である。そこで、我々はAGNの極近傍の爆発的星形成活動とさらに外側で起こる爆発的星形成の両方に注目し、様々な領域で起こる爆発的星形成領域の光度とAGNへの質量降着への関係を調べた。結果、AGNの光度は、AGNの極近傍の爆発的星形成活動の光度、さらに外側の爆発的星形成活動の光度と正の相関があることが分かり、様々な領域で起こる爆発的星形成活動とAGNの活動性の関連を明らかにすることができた。さらに、AGNにより近い領域で起こる爆発的星形成ほど、AGNへの質量降着に強く影響を与える傾向を得ることができた。また、スピッツァー赤外線衛星のアーカイブデータを利用し、遠方の銀河の中間赤外スペクトルを解析することによって、ダストに埋もれた銀河のエネルギー源を探った。その結果、より遠方の銀河ほど、AGNの活動性が高い、もしくは銀河中心の超大質量ブラックホールの質量が高い傾向を得ることができた。これは、AGNの活動性や銀河中心の超大質量ブラックホールの進化史を探る手がかりとなり得る。
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Research Products
(2 results)