2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J03827
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
巻田 修一 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 光コヒーレンストモグラフィー / 眼底 / 眼底血管造影 / 網膜血管 / 脈絡膜血管 / ドップラー / 超高分解能 / OCT |
Research Abstract |
本研究は高速・高分解能な無侵襲眼底断層検査装置の開発を目的として行われている。今年度の主な成果は以下の点である。 1.眼底用の高速フーリエドメインOCT装置を構築と、画像のモーション補正アルゴリズムの開発により3次元眼底構造の画像化に成功した。また、この技術は医療機器開発会社に技術移転された。 2.OCT信号のドップラー解析を行い、画像のノイズ領域の除去(セグメンテーション)、試料全体のモーションによるアーチファクトを除去して3次元眼底血流分布画像の取得を行った。この3次元血流分布から得られる投影図と既存の眼底血管造影法との比較を行い、網膜血管と脈絡膜血管の描出に成功していることを確認した。 3.血液と脈絡膜の光の散乱特性の違いによりOCT画像にコントラストが生じることを利用して、高画質な3次元脈絡膜血管分布画像を取得した。OCT信号の減衰を考慮し、網膜と脈絡膜の境界を基準に等距離の深さでスライス画像を作製し、信号強度の統計分布を元に脈絡膜血管を抽出した。 4.線集光型のフーリエドメインOCT装置を眼底検査用に最適化を行った。対象のモーションによって生じる信号強度の損失を防ぐために露光時間の最適化、眼の収差の影響を押さえる為に光学系の瞳径の最適化を行い、従来型の装置より高速に3次元眼底断層画像を取得することに成功した。 5. 1μm帯波長走査光源を用い、光の深達度を高めた波長走査型のフーリエドメインOCT装置の開発を行った。結果、断層画像中の網膜下において従来の830nm帯光源を用いた場合より高いコントラストが得られた。 6.超広帯域なスーパールミネッセントダイオードを使用し超高分解能フーリエドメインOCT装置を構築した。生体組織中(屈折率:約1.38)において、約2.9μmの深さ分解能を達成した。 また、3と5,3と6の組合せにより、高コントラスト、高精細な3次元脈絡膜血管分布画像を得ることが可能となった。
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Research Products
(7 results)