Research Abstract |
ゲームプレイヤーがモーションを自由にクリエイションできるようになるとゲームの話の展開が変化するため,その変化した展開に対してキャラクタが柔軟に対処することが求められています.そのため,基盤システムの重要な機能として,ゲームプレイヤーからの自由なタイミングでのインタラクションに対してキャラクタが人間のように知的に振る舞い,かつそれらのキャラクタの能動的な行動によって長期的な話の展開を生成する行動制御技術が必要となっていました.そこで,話の流れを保ちつつ,状況に合わせて豊富で能動的な反応を生成するために,エピソードツリーと名付けた統一的な制御構造を用いて反応行動を生成するシステムを提案しました.このシステムでは,各キャラクタが状況に合わせて断片的なエピソードを表すエピソードツリーを取捨選択していくことで,全体の話の流れを構成します.また,キャラクタが干渉された場合には,エピソードツリーに付随された中断処理を挿入し,反応行動へ移り,反応行動が終了した際には復帰処理を挟み,元の行動に復帰することでキャラクタの行動の連続性を保ちます. ユーザが自由なタイミングでアニメーションに干渉するためのインタフェースとして,「触る」,「掴む」,「オブジェクトを追加する」の3つの異なる特徴を備えたゲームコンテンツを実際に制作しました.このコンテンツ上で,これらのインタフェースを用いて,自由なタイミングで相互作用できるキャラクタアニメーションを生成できることを,インタラクティブ東京やDiva展といった複数の会場で展示し,示しました.その結果,芸術科学会論文誌で論文賞をいただくといった学術的な成果に加えて,芸術科学会展のデジタルシネマ部門で優秀賞,そして国内の優秀なコンテンツが展示されるインタラクティブ東京に推薦されるなど,展示作品としても大きな成果を得られました.
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