2006 Fiscal Year Annual Research Report
物体操作を行う移動マニピュレータの視覚と動作計画に関する研究
Project/Area Number |
06J03840
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山崎 公俊 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 移動マニピュレータ / 把持計画 / 動作計画 / ダイレクトティーチング |
Research Abstract |
本年度に行った研究では、人間の片手大の小型物体Pを引き出しなどの収納場所Qに納める動作を、ロボットに行わせた。P、Qを別の物体に変えても、対応可能なことを確認した。具体的な成果を以下に述べる。 1.物体の把持計画の提案:ロボットが物体把持を行う手法を提案した。ここには、二つめ研究課題があった。一つ目は、物体のどの位置にロボットハンドを接触するかである。本研究では、密な点群で表現した物体モデルについて、ハンドと物体の接触面積と、モーメントバランスを評価基準とした手法を提案した。実機ロボットで実験を行い、提案手法が物体形状の複雑さにあまり影響を受けずに適用可能なことが判った。もう一つの課題は、どのような姿勢で把持を実現するかである。本研究では、移動ロボットには手先姿勢め誤差が問題となることに注目し、その影響を軽減可能な把持姿勢の計画手法を提案し、実験で有効性を検証した。 2.収納場所の操作モデル獲得と動作計画:カメラと測域センサを搭載したロボットを用いて、直接教示に基づいて操作モデルを獲得する手法を提案した。これを複数の収納場所に適用し、汎用性の高さを確認した。さらに、提案するモデルでは、単に操作方法の記録だけでなく、見た目や形状情報も同時に獲得するため、一旦作成したモデルは再利用できる。ただし、これはロボットの操作姿勢を提示するものではないため、動作計画法も別途提案した。これにより、手先の操作性を高く保った姿勢で、収納場所の操作を実現できるようになった。 3.ロボットシステムの統合と実験:移動マニピュレータシステムを構築し、「小型のペットボトルを把持・運搬し、キャビネットに収納する」といった動作を一貫して行わせ、成功した。より成功率を高くするには、動作計画の結果通りに動くだけでなく、オンラインで計画を修正可能な適応能力も重要であるとの知見を得た。
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