2007 Fiscal Year Annual Research Report
日常会話におけるうわさと話題-不確実情報の伝達および伝播過程に関する研究-
Project/Area Number |
06J03891
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
竹中 一平 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 日常会話 / 話題 / うわさ / 流言 / 情報伝播 / 情報伝達 |
Research Abstract |
本研究は、日常会話において話されるうわさやうわさ以外の話題を対象として、不確実情報の伝達および伝播過程について明らかにすることを目的としていた。本年度は、以下の3点について研究を進めた。 第1に、流れたうわさについて共通の興味や関心をもつ「流言集団」の特徴を明らかにするために、うわさの発生とうわさが話される集団の特性との関連を検討することを目的として研究を行った。本年度はこれまでに収集した大学とは異なる立地条件の1大学において予備面接調査を行った。また、昨年度までに収集した7大学での調査結果について、学術論文としてまとめ公表した。 第2に、昨年度、博士論文としてまとめたうわさの伝達に関する個人内過程モデルを実証することを目的として研究を行った。具体的には、3類型のうわさのうち、従来の実証研究でも多く扱われており、不安を喚起する内容である「非日常不安型」の類型に研究対象を限定し、うわさの伝達に関連する要因が、個人内においてどのような順序で処理がなされているのかを検討するコンピュータ実験を行った。この研究によって、従来の研究でうわさの伝達に関連することが実証されている様々な要因を、個人内過程として統合した理論化が可能であると期待される。実験結果は、来年度の日本社会心理学会において発表予定である。また、昨年度に行った質問紙調査の成果について、日本社会心理学会および日本社会情報学会において発表した。 第3に、広範囲に伝播するといううわさの主要な特徴について検討し、そのメカニズムを明らかにするために、携帯電話の電子メールを用いて情報伝播を追跡するためのシステムを構築した。システムは、プログラミング言語PHPによって構築し、既知の小集団においてやり取りされる携帯電話の電子メールを収集するものであった。本年度はシステムの実装および、数グループによる動作テストを行った。
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Research Products
(4 results)