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2008 Fiscal Year Annual Research Report

清朝のチベット仏教政策史研究-清朝領内におけるチベット仏教管理制度の成立

Research Project

Project/Area Number 06J03933
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

栗本 陽子  University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 特別研究員(DC1)

Keywordsチャンキャ三世 / 雍正朝 / アムド / 扎薩克喇嘛制度
Research Abstract

雍正2年(1724)に来朝したチャンキャ三世は,主に乾隆年間に清朝のチベット仏教政策を牽引し乾隆帝の最も信頼するチベット仏教政策顧問として大きな足跡を残した人物として有名である。その来朝の経緯を明らかにするとともに,彼が招請され,前世の地位を継承したことが後の清朝のチベット仏教管理制度である扎薩克喇嘛制度にもたらした変化を以下のように具体的に明らかにした。
(1)チャンキャ二世の時代から清朝はチャンキャを重用していたが,康煕年間にはチャンキャと同じアムドのグンルン寺系の転生僧に対する重視が始まったに過ぎず,チャンキャの地位は定まっていなかった。雍正年間にチャンキャ自身の転生者が来朝してその地位を継承したことで,初めて後代に受け継がれる慣例ができた。(2)チャンキャ三世招請が決定されたのは清朝による青海平定の最中で,雍正2年正月のグンルン寺との交戦後であった。当初の予定になかった幼いチャンキャ三世の招請によって,清朝とアムドの寺院勢力の間の紐帯となりうるチャンキャ三世の存在感が高まり,その後双方によってチャンキャと清廷の因縁が随所で強調され,利用されていった。(3)雍正12年にチャンキャ三世が大国師を継承するにあたり,清朝とアムド寺院勢力双方の思惑により,チャンキャ縁の複数の転生僧が禅師としてその脇を固めることとなった。これにより,札薩克喇嘛制度がチャンキャ体制ともいうべき形へと整えられていく。チャンキャ三世が前世の地位を継承したことで,このチャンキャ体制も転生相続制度によって代々継承されていくシステムができていった。雍正年間のこれらの決定は,その後のチャンキャの地位を安定的且つ絶対的なものとし,またそれまで方向が定まっていなかった清初からの扎薩克喇嘛制度そのものを大きく転換させるなど,後世に大きな影響を及ぼすものであった。

  • Research Products

    (2 results)

All 2009 2008

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 雍正年間の清朝によるチャンキャ三世招請の経緯とその意義2009

    • Author(s)
      栗本陽子
    • Journal Title

      史境 58(印刷中)

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 清朝によるチャンキャ三世招請の経緯とその意義2008

    • Author(s)
      栗本陽子
    • Organizer
      歴史・人類学会例会
    • Place of Presentation
      筑波大学人文・社会科学研究棟A208
    • Year and Date
      2008-06-27

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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