2006 Fiscal Year Annual Research Report
分子進化的アプローチによる、より有効な抗微生物ペプチドのデザイン法の開発
Project/Area Number |
06J03967
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
上野 悟 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 抗微生物ペプチド / 線虫 / 構造活性相関 / 免疫 / 前駆領域 |
Research Abstract |
1.ASABF-6Cys-alpha遺伝子の転写産物が、微生物の実験的感染によって誘導性であるか検定する。 細菌誘導性を調べたところ、体壁、腸および生殖器で強い誘導性が見られたことから、ASABF-6Cys-alphaは免疫に関連性が高いことが証明された。 2.ASABF-6Cys-alphaを昆虫培養細胞による組換えペプチドとして、大量発現させる。 既知ASABF-αおよび新規ASABF-6Cys-αについて、バキュロウィルスを用いて昆虫培養細胞に発現させ、分泌型組換えペプチドとして発現系を構築し、組換えペプチドを培養液中に約5μg/mlを得る系を確立した。 3.Cecropin P4(nematode cecropinの一種)の前駆体(P4::P4P)を、無細胞転写翻訳系によって組換えペプチドとして、大量発現させる。 無細胞転写系による発現系を構築したが、十分な発現量を得ることができず、化学合成に変更した。前駆領域単体(P4P)は、濃度依存的にP4の殺菌活性を阻害した。線虫セクロピンはミトコンドリア毒性があるので、P4Pはその毒性を生体内で抑制する役割をもつと推測される。予期せぬことに、P4Pは、P4のみでなく、昆虫のセクロピンA、さらに構造的にP4と類似性のないポリミキシンBに対しても殺菌活性を阻害した。 4.(2)および(3)で調整したペプチドを、限外濾過および逆相IPLCなどを用いた精製法を確立する。 ASABF-αについては、抗体を用いたwestern blotを指標に、限外濾過および逆相HPLCを用いた精製法をほぼ確立した。また、Cecropin P4は、化学合成に変更したため、この項目の実験は省略した。
|
Research Products
(1 results)