2007 Fiscal Year Annual Research Report
分子進化的アプローチによる、より有効な抗微生物ペプチドのデザイン法の開発
Project/Area Number |
06J03967
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
上野 悟 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 抗微生物ペプチド / 線虫 / 構造活性相関 / 免疫 / 前駆領域 |
Research Abstract |
1.ASABF-6Cys-alphaの分子内ジスルフィド結合パターンを決定する。 新規ASABF-6Cys-alphaについて、ASABF-alphaとは別の発現コンストラクトを構築し、発現系の構築はできた。しかし、約0.02ug/mlのASABF-6Cys-alphaを得ることしかできず、十分量のASABF-6Cys-alphaを回収出来次第、分子内ジスルフィド結合パターンを解明する。 2.ペプチドの抗微生物活性を、動植物に対する病原菌を中心にグラム陽性菌や陰性菌、および酵母に対して詳細に決定する。 セクロピンP4については、グラム陽性菌や陰性菌、さらに酵母に対して抗微生物活性を調べた。前年度に検証済み。 3.ASABFが、大きな高次構造の変化を伴った分子進化を遂げたか、結論する。 分子進化については、(1)の分子内ジスルフィド結合パターンを決定することが必要不可欠であることから、構造解析を早急に行う予定である。 4.Cecropin P4 (nematode cecropinの一種)の前駆領域の機能を決定する。 前駆領域単体(P4P)は、成熟ペプチドのセクロピンP4の殺菌活性を濃度依存的に阻害した。このメカニズムを解明するために、グラム陽性菌の細胞膜を模倣したリポソーム膜を作成し、細胞膜への作用を調べた。P4PのセクロピンP4の殺菌活性の阻害効果は、細菌の細胞膜に直接作用するのではなく、他の作用機序に影響をしていることが示された。 5.(3)および(4)で得られた結論を基に、より有効な抗菌ペプチドをデザインするための指針を作成する。 この阻害作用は、塩基性の抗微生物ペプチドと、酸性のP4Pが静電的に作用していると考えた。そこで、酸性残基を中和させた前駆領域単体(NP4P)を合成し、電荷による影響を検討した。NP4P自身で殺菌活性は示さず、成熟ペプチドのセクロピンP4と混ぜるど、セクロピンP4の殺菌活性を促進させることが示された。今後、この作用メカニズムを解明する。
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Research Products
(3 results)