2006 Fiscal Year Annual Research Report
半導体結晶の表面構造規制と光エネルギー変換機能の向上を目指した表面反応機構の研究
Project/Area Number |
06J04048
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 龍平 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手
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Keywords | 光触媒 / 酸素発生 / 赤外分光 / 多電子移動触媒 / 金属錯体 / 光合成 |
Research Abstract |
金属酸化物半導体は、光エネルギー変換に適した光触媒として、多くの研究がなされている。本研究では、「表面反応中間体の分光学的in situ直接観察」および「金属酸化物表面構造の原子レベル制御」の2点から研究方法の開拓を進め、これを通じて反応機構の解明を行ってきた。特に光機能界面として最も重要であるTiO_2/水溶液界面における水の光酸化・酸素発生反応に焦点をあて、この反応の機構を原子・分子のレベルで解明を行った。また、新規可視光応答型の光触媒として光誘起MMCTで駆動するヘテロ金属分子光材料の開発も行ってきた。以下に主な結果を述べる。 (1)新しい表面処理法であるHF浸漬-高温焼成法を用いることで、原子レベルで平坦でかつ安定なTiO_2ルチル表面を作製することに成功した。その結果、表面バンドエネルギーや価電子帯正孔の反応性がTiO_2の表面原子構造配列に依存することを世界で初めて明らかにした。さらに、in situ PL法を用いて、水の光酸化反応の前駆体である表面捕捉正孔を捉え、この原子レベルでの構造やエネルギーの面依存性を明らかにした。 (2)金属酸化物上での結果を踏まえて、窒素含有・金属酸化物上における可視光照射下での光酸素発生反応の機構の検討を行った。TaON微粒子粉末を用いて薄膜光電極を作成し、種々の還元剤添加による光電流作用スペクトルの変化の詳細な検討から、可視光照射下での水の酸化反応は"電子移動機構"で進行するのではなく、"水分子の求核攻撃機構"によって進行することを明確に示した。 (3)さらに、多電子移動触媒であるIrO_2、および光合成のPSII中心のモデル触媒としてMn二核錯体の合成を行い、水の酸化反応が上と同様に"水分子の求核攻撃機構"で反応が進むという重要な結果を明らかにしつつある。 (4)ヘテロ金属からなる無機分子光材料の開発を行った。ヘテロ金属錯体の光誘起MMCTによって、可視光照射下で光触媒反応を駆動させることに成功した
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Research Products
(2 results)