2008 Fiscal Year Annual Research Report
河川における有機物の起原およびその生物地球化学的機能に関する研究
Project/Area Number |
06J04100
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
関 宰 Hokkaido University, 大学院・地球環境科学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | オホーツク海 / アムール川 / 有機物 / バイオマーカー / 古環境 / 生物生産 / 物質循環 / 中国泥炭コア |
Research Abstract |
本年度の前期は分析と観測を中心に、後期は論文執筆活動を中心に行った。 1.実験分析ガスクロマトグラフ/質量分析計によるリグニンフェノール測定の手法を確立させ、オホーツク海および、アムール川や北海道河川の観測により採取した土壌、堆積物、懸濁粒子中のリグニンフェノールの測定を行った。アムール川とオホーツク海の試料の結果から、オホーツク海堆積物中の陸起源有機物の寄与が推定され、アムール川によって供給された陸起源の有機物がサハリン海流によってサハリン南部の海域まで輸送され、堆積していることが示唆された。北海道の主要河川の懸濁粒子中のリグニンフェノール分析から、河川によるリグニン組成が明瞭に異なることが示された。これは流域の植生や土地利用形態を反映していると考えられ、リグニン組成が河川により輸送される有機物の起源を推定するのに有効な手法であることが示唆された。 2.観測イギリスのグラスゴー大学との共同研究で、北海道の湖の観測計画を立案し、2008年6月に観測を行った。その結果、8つの湖から湖底堆積物を採取する事に成功した。8月にはロシア、中国との共同プロジェクトであるアムールオホーツクプロジェクトによるアムール河口観測が行われ、日本側のメンバーとして参加し、河川水、河床堆積物、懸濁粒子等のサンプリングに成功した。これらの試料については、今後、共同研究者と協力して様々な分析を進めて行く予定である。 3.論文執筆これまでの研究成果を論文にとしてまとめ(論文5本)、それらは全て査読付きの国際誌に投稿した。
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Research Products
(8 results)