2008 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルス小RNA(EBER)による発癌促進作用の分子機構の解析
Project/Area Number |
06J04124
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
南谷 武春 Hokkaido University, 遺伝子病制御研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | ウイルス学 / EBウイルス / EBER / 小RNA |
Research Abstract |
EBウイルス(EBV)小RNAであるEBERは、様々な機能を持っていることをこれまでに我々の研究室より報告してきたが、いずれも培養細胞等を用いた実験により得られた結果であるため、生体内でも同様に機能しているかは解析されていない。そこで、EBER発現トランスジェニックマウスの作製を試みた。 まず、EBERの高発現系を確立するためにhuman U6,mouse U6,H1,h7SK promoterなど様々なプロモーターを用いてEBER発現plasmid vectorを作製した。これらをマウスNIH3T3細胞に導入してEBER安定発現細胞株を樹立しEBERの発現量を調べた。その結果、human U6 promoterを用いた場合に比較的EBERの発現量が高いことが明らかになった。しかし、EBV陽性BL細胞株に比べると発現量が低く、EBV感染状態でのEBERの機能を再現できない可能性が考えられた。そこで、human U6 promoter-EBERを10個含むvectorを構築し、NIH 3T3細胞に導入してEBER安定発現細胞株を樹立したところ、EBERが高発現しているクローンを高頻度で得ることに成功した。 次に、作製したこのplasmid vectorを用いてEBER発現トランスジェニックマウスの作製を行った。Slc:BDF1マウスより得た受精卵698個にマイクロインジェクション法を用いて遺伝子を導入し、最終的にEBERを高発現しているマウスを4系統得ることができた。現在それぞれの系統のホモ接合体マウスが得られ、経時的な解析を行っている。
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