2007 Fiscal Year Annual Research Report
北部モン・クメール諸言語の記述と言語接触にかんする研究
Project/Area Number |
06J04180
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 敦士 Hokkaido University, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | モン・クメール語族 / 記述言語学 / ワ語 / 少数民族 |
Research Abstract |
本年度は、初年度に得られたデータを整理・分析するかたちで、パラウク・ワ語に対する総合的研究をすすめた。その成果として、パラウク・ワ族の口承文芸(民話・伝説)に言語学的分析を付したテキスト(Parauk Wa folktales)が東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所より出版された。このテキストの第二部は、正書法に漢語抄訳を付す形式をとっており、現地教育機関における初等教育用の副教材としての利用が見込まれている。また初年度に収集した音声資料の一部について、解釈が不確かな箇所があったため、12月に補足的なフィールド調査をおこなった。この結果を踏まえ、残りのデータについても汎用性のあるかたちでのデータベース化をおこなっている。これらの収集した一次資料にある言語事実を掘り起こすかたちで、「パラウク・ワ語」(中山俊秀・山越康裕編『文法を描く-フィールドワークに基づく諸言語の文法スケッチ』、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)、『パラウク・ワ語記述文法』(学位申請論文、北海道大学)を書き上げた。後者についても公開に向けた準備を進めている。 以上の研究活動によって、記述研究の基礎となる重要な工具書が整備されることになり、パラウク・ワ語研究が大きく前進することが見込まれる。
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Research Products
(2 results)