2006 Fiscal Year Annual Research Report
北部モン・クメール諸言語の記述と言語接触にかんする研究
Project/Area Number |
06J04180
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 敦士 北海道大学, 大学院文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | モン・クメール語族 / 民族言語学 / ワ語 / 雲南省 / 民族誌 / 家禽 |
Research Abstract |
本年度の研究では、春夏の長期休暇を利用した二度の現地調査などにより、中国雲南省西南部に分布するパラウク・ワ語の総合的記述をすすめた。また中国雲南省からタイ北部にかけて散在する比較的規模の小さい北部モン・クメール系民族言語の基礎的情報・一次資料を収集することにも力を注いだ。 これらの研究活動はほぼ順調におこなわれ、初年度ながら徐々に成果が見え始めている。まずパラウク・ワ語の調査研究については、第133回日本言語学会において、名詞化にかかわる形式についての研究発表をおこなった。また来年度中に、現地で収集した民話について、原文に言語学的分析を加えたテキストが出版(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所より)される運びとなったほか、博士論文として記述文法書を提出する見通しがついた。 もう一方の、北部モン・クメール系民族言語の基礎的資料収集活動においては、これまで研究・報告のあまりおこなわれていない民族集団(ホマイ、タイ・ロイ、プラン、プマン、アルヴァ、ヴォなど)を調査の対象に、基礎語彙収集や文法素描をおこなった。このうち、雲南省南部からタイ北部に分布するタイ・ロイやプランの集団を対象とした調査では、民族言語学的な視点から家禽や家畜に対する民族誌的認識の分析を試みた。この調査で得られた成果の一部は、北海道民族学会への投稿論文、さらに3月にタイでおこなわれた国際会議(HCMR秋篠宮研究プロジェクト)の場で研究報告をおこなうなど、積極的に発信することにも努めている。
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Research Products
(3 results)