2006 Fiscal Year Annual Research Report
ツイストされたN=4の中心電荷を含む超空間と格子上の超対称性
Project/Area Number |
06J04216
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
斉藤 準 北海道大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超対称性 / 格子上の場の理論 |
Research Abstract |
本研究では,素粒子論における場の理論の,より統一的な記述へ向けた具体的な理論の定式化を目的として,格子上での超対称理論の導入を行い,次いで,その理論的,数値的な解析を行いたいと考えている.本研究への直接の先行研究において,格子上の超対称性が満たすべき超対称代数に立脚した独自の定式化によって,2次元の時空を考える簡単化した場合においては,具体的に格子上の超対称理論が構築されることが提唱されている.本研究は,この定式化の理論的な整合性を,解析的,数値的な計算によって明らかにすると共に,より現実的な4次元の場合へと拡張することを中心に目指している. 本年度は,このような観点のうち,まず解析的な計算によって,上述の定式化の整合性を検証してきた.これは主に海外での共同研究等を通して進められた.これにより,この定式化は,適当な時空の非可換性を本質的に伴わなくてはならないこと,もしくは,適当な行列模型による構成論的な定式化を伴わなくてはならないこと,などが明らかになりつつある.これらのことは,関連する研究で明らかにされている結果と関係はするが,新しい知見であり、格子上の超対称性は同時に非可換性を要求することを示唆している.一方で,これらの結果は,上述の定式化はそのままでは完全ではなく,より詳細な議論が必要であることを示している.現在は,このような結果を受けて,議論をまとめているところである.現在の解析を採り入れることで,2次元の場合の格子上の超対称理論は,より厳密な意味で定式化されると考えている.
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