2007 Fiscal Year Annual Research Report
HPLC/MSによる血清糖タンパク質糖鎖及び糖ペプチドの網羅的解析法の確立
Project/Area Number |
06J04223
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
武川 泰啓 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 糖タンパク質 / 糖鎖 / 糖ペプチド / 質量分析 / MS / LC-MS / MS^n / 血清 |
Research Abstract |
1.糖ペプチドの高感度な分析法の確立 これまでに私は両性イオン型親水性クロマトグラフィー(ZIC-HILIC)により糖鎖・糖ペプチドの選択的かつ高分離能な分離が可能であることを示してきた。今回、カラムをキャピラリーサイズ(75μmI.D.)にし、nanoESIでイオン化することで、わずか150ngのエリスロポイチン(糖タンパク質)から100種以上の糖ペプチドを解析することに成功し、非常に高感度な分析法を確立した。 2.糖鎖・糖ペプチドの2次元HPLC/MS分析法の確立 プロテオミクスにおいて、複雑なサンプルからより多くのタンパク質を同定するために、イオン交換カラムと逆相カラムを組み合わせた2次元HPLC/MSによるタンパク同定法が使用されている。しかし、これまで糖鎖分析に関してはこのような2次元HPLCの手法は存在せず、非常に複雑なサンプルの解析は困難であった。そこで私は、イオン交換カラムと糖鎖・糖ペプチドの分離に非常に有効な手段であるZIC-HILICカラムを組み合わせることで、2次元HPLC/MSによる糖鎖解析法を初めて確立した。これにより、非常に複雑なサンプルであっても分析することが可能となった。 3.安定同位体による比較グライコミクス法の確立 プロテオミクスでは、サンプル間の相対的定量をするめに安定同位体ラベルを使用した比較プロテオミクス手法がよく使用されている。近年、糖鎖においても比較グライコミクスの手法が報告されている。しかし、親水的な糖鎖に疎水的なラベル化を用いるため、逆相カラムにおいて軽ラベル体と重ラベル体が分離してしまい、定量性の悪化が問題点としてあった。そこで、私はZIC-HILICを用いることで軽ラベル体と重ラベル体が単一ピークとして観測できることを示した。これにより、プロテオミクスと同レベルの定量性を有した比較グライコミクス研究が可能となった。
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Research Products
(4 results)