2006 Fiscal Year Annual Research Report
調和解析における極大作用素の研究とナヴィエ・ストークス方程式の解析的研究
Project/Area Number |
06J04225
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
寺澤 祐高 北海道大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Navier-Stokes方程式 / 一様局所p乗可積分空間 / 半平面 / ディリクレ問題 / アマルガム空間(L^p, l^q) / ストークス方程式 / 最大正則性 / レゾルヴェント方程式 |
Research Abstract |
年度の前半では、半空間における、Navier-Stokes方程式のディリクレ問題に関する考察を行った。初期値の空間としては、北大の前川泰則氏との共同研究で全空間の場合に既に取り扱った一様局所p乗可積分空間で取り扱った。半空間上の一様局所p乗可積分空間とは半平面内の任意の点を中心とする半径1の球と半平面との共通部分で関数のp乗ノルムを測り、球の中心を動かして上限をとったときに、その量が有限となるような関数からなり、その量をノルムとして持つような空間である。本研究では、前川泰則氏との共同研究で、半空間におけるNavier-Stokes方程式のディリクレ問題の時間局所解をこの初期値の空間において構成することを行った。この結果は、次に述べるアマルガム空間での結果に一般化できる可能性があるため、その可能性について考察してから、一般化できる場合にはそれを公表する予定である。全空間において前川氏と行った研究の自然な一般化として、アマルガム空間(L^p,l^q)を初期1値の空間として同方程式を取り扱った。これは、東大の米田氏と北大の前川氏との共同研究である。これは、近日中に成果を公表する予定である。 年度の後半(10月4日〜1月18日)では、ドイツのライプチッヒにあるマックス・プランク研究所でナヴィエ・ストークス方程式の自由境界問題の専門家であるHelmut Abels氏とともに粘性係数が空間の点に依存して変わるような場合のストークス方程式のL^p空間の枠組みでの最大正則性について調べた。この研究の結果は、非ニュートン流体の自由境界問題や、流体の拡散層モデルに関わる問題に適用できると思われる。本滞在では、関連する事項の勉強を行い、また、必要なレゾルヴェント評価の一部を得ることに成功した。来年度の6月初から9月末まで再度、同研究所に滞在し上記研究の続きを行う予定である。
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