2007 Fiscal Year Annual Research Report
下部マントル条件でのペロブスカイト相とポストペロブスカイト相への鉄とアルミの固溶
Project/Area Number |
06J04234
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浜根 大輔 (西尾 大輔) Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 特別研究員(PD)
|
Keywords | ペロブスカイト / ポストペロブスカイト / 鉄 / アルミ / 下部マントル / 相転移 |
Research Abstract |
地球下部マントルの最も主要な構成物質であるペロブスカイト相およびポストペロブスカイト相への鉄とアルミの固溶に関して、超高温高圧合成実験とその解析を行った。本年度は、ポストペロブスカイト相転移圧力への三価鉄とアルミの影響,そして,ペロブスカイト相の体積弾性率への三価鉄とアルミの影響をレーザー加熱式ダイアモンドアンビルセル,放射光X線を用いて調べた。 その結果,下部マントル条件下では,A1の共存下において2価鉄は価数不均化反応によって3価鉄を生じ,FeAlO_3という形でケイ酸塩ペロブスカイト中に相当量固溶すること,さらに,この成分の固溶によってポストペロブスカイト相転移の圧力が著しく高圧側にシフトすることを明らかにした。そして下部マントル最下部に横たわるD"層の水平方向の厚さの不均質の原因の一つとして,核-マントル境界に崩落した比較的A1に富むスラブの残骸部分でD"層が薄くなっている可能性を指摘した。また,このFeAlO_3という3価陽イオンペアの固溶は下部マントル上部の条件ではペロブスカイト構造中に酸素欠損を導入するが,より深部の条件ではMg+Si⇔Fe^<3+>+Alのカップル置換によってペロブスカイトのストイキオメトリーを維持すること,FeAlO_3成分が固溶することによってマグネシウムケイ酸塩ペロブスカイトの構造的歪が増すこと,体積弾性率が劇的に小さくなることなど数多くの新しい知見がもたらされた。
|
Research Products
(5 results)