2009 Fiscal Year Annual Research Report
GSK-3βの抑制によるWntシグナルの増強を介した骨形成誘導法に関よる研究
Project/Area Number |
06J04266
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中島 愛子 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 骨形成 / 骨芽細胞 / Wnt / GSK-3β / tRNaseZL |
Research Abstract |
GSK-3βを抑制させWntシグナリングを活性化させるsgRNAの2'-O-methyl化RNAを合成した.また,2'4'-Bridged Nucleic Acid(LNA : Locked Nucleic Acid)をいくつかの塩基に挿入した種々の2'-O-メチル化RNAを合成した.これらのsgRNAを,293細胞,MC3T3-E1細胞,CH310T1/2細胞等にトランスフェクションして,リアルタイムRT-PCR法,Western blot法などにより,骨芽細胞の分化の指標となるmRNA発現などに及ぼす影響を調べた.LNA塩基を挿入することによって,ノックダウン効果がどのように変わるかについて詳細に調べたところ,ある部位へのLNA塩基の挿入はノックダウン効果を増大させることが明らかになった.さらに,TLR5,6といった一本鎖核酸に応答する受容体を介したインターフェロン誘導についてELISA法を用いて調べたところ,IFN-αの産生は認めれず,有害性がないことが考えられた.マウス個体にzenograftによってsgRNAを投与する系を確立した.HL60細胞をこの方法により投与して腫瘍の形成が認められた.このマウスにsgRNAを投与すると腫瘍の増大の減少が認められ,in vivoで,sgRNAの効果が明らかになった.これまでにin vitroで効果が認められたsgRNAをマウスに局所ならびに全身投与した.pQCTを用いて,このマウスの骨量ならびに骨形成量を測定したところ,骨量の有意な増大が認められた.また,血清中の種々のマーカーについてELISA法を用いて測定し,副作用の有無を調べたところ,非投与マウスと比べて大きな変化が認められず,副作用の少ないことが示唆された.これらの結果から,sgRNAの動物個体レベルへの応用の可能性が大きく広がった.
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Research Products
(2 results)