2006 Fiscal Year Annual Research Report
GSK-3βの抑制によるWntシグナルの増強を介した骨形成誘導法に関する研究
Project/Area Number |
06J04266
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中島 愛子 北海道大学, 大学院歯学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 骨形成 / 骨芽細胞 / Wnt / GSK-3β / tRNaseZL |
Research Abstract |
研究代表者らの研究グループが開発したsgRNA/tRNaseZLを用いた新規の遺伝子発現の制御法は,切断活性が核内に存在することやsiRNAよりもさらに短いRNAでも機能するのが大きな特色である.本研究では,まず標的とするヒトGSK-3β mRNAについて,RNA2次構造予測のソフトウエアを用いて2次構造を予測した.切断予定部位は,予想構造を考慮しできるだけ折りたたみ構造の少ない部位を選択した.この標的部位の上流でtRNA前駆体に類似したステム-ループ構造を形成し塩基対合しうる配列(sgGSKH)や直線的に塩基対合する配列(sgGSKL)を選択した.このsgGSKHとsgGSKLのオリゴヌクレオチドを合成し,polIIIプロモーター下で発現させる発現プラスミドを作成した.また,これらの2'-O-methyl sgRNAを合成し,293細胞にリポフェクタミン2000を用いてトランスフェクトした.細胞を可溶化しGSK-3β抗体を用いたウエスタンブロットを行なったところ,GSK-3βのタンパク質が著しく減少した.また,β-catenin/Tcfの結合領域を含むTop-flashルシフェラーゼレポーターのルシフェラーゼ活性は,sgRNAによって増加した.この切断活性は,tRNaseZLを過剰発現させた293細胞では増加し,tRNaseZLをsiRNAによってノックダウンさせた細胞では減少した.これらの結果は,sgGSKHやsgGSKLがtRNaseZLによってGSK-3β mRNAを細胞内で有効に切断したことを示した.さらにマウスC2C12細胞にsgGSKLを導入したところ,osteoprotegrin mRNAが増大した.以上の研究の一部は,Dr.Mario Moerl (University of Leipzig, Leipzig, German)との共同研究で行った.
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Research Products
(4 results)