2007 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン-プロテアソームシステムによるタンパク質分解とDNA修復の機構解明
Project/Area Number |
06J04268
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
曽根 孝之 Hokkaido University, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | プロテアソーム / タンパク質分解 / DSS1 / Sem1 / BRCA2 / DNA修復 / RAD51 |
Research Abstract |
プロテアソームは細胞内に存在する巨大なタンパク質分解酵素複合体であり、ユビキチン依存的にタンパク質を分解する。すでに、酵母26Sプロテアソームの新規サブユニットとしてSem1を同定し、また、Sem1のヒトホモログDSS1もヒト26Sプロテアソームのサブユニットであることを明らかにしている。一方、DSS1は腫瘍抑制遺伝子産物BRCA2に結合して二本鎖DNA損傷修復機構に関与していると報告されている。即ち、DSS1はBRCA2と26Sプロテアソームの二つの複合体に含まれ、両者は密接に関連していると考えられる。本研究は、DSS1/Sem1がプロテアソームのサブユニットとして、DNA修復に関係するBRCA2とどのような分子様式で関連しているかを解明することを目的としている。DSS1/Sem1を中心として、プロテアソームおよびBRCA2との相互作用を分子レベルで解析した。そして、酵母two-hybrid法の応用により、DSS1/Sem1がプロテアソームサブユニットとBRCA2を繋ぐアダプター分子となり得ることを明らかにした。また、プロテアソームサブユニットRPN11とFLAGとの融合蛋白質RPN11-FLAGのHeLa細胞・安定発現株を用い、アフィニティー精製によりヒト26Sプロテアソームを完全な状態で精製し、BRCA2とRAD51が結合していることを発見した。さらに、マウスの各組織において、DSS1が他のプロテアソームサブユニットと共存することを見出した。ヒト26SプロテアソームとRAD51との結合はDSS1のノックダウンによって減少したことから、RAD51のプロテアソームへの結合はDSS1を介していると推察される。なお、この結合はマイトマイシンCによるDNA損傷時においても変化がなった。これらのことからRAD51は恒常的にDSS1を介してプロテアソームに結合していると考えられる。
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