2006 Fiscal Year Annual Research Report
三次元光走査技術の新規開発とそれを用いたサブピコ秒オーダー超高速現象の実時間観察
Project/Area Number |
06J04290
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
立崎 武弘 北海道大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 弾性表面波 / 二次元可視化技術 / ウィスパリングギャラリーモード / 分散関係 / フーリエ解析 / 時間空間画像化 / 表面微細構造 / 音響共振器 |
Research Abstract |
波動の伝播を時間空間で観察するということは単に波の流れを直接見ることで理解できるに留まらず、得られた画像や動画には時間と空間の情報がほぼ全て含まれているため、適切な解析を通じて伝播媒質の評価や波そのものの特徴を抽出することが可能である。昨今、ウィスパリングギャラリーモード(WGM)と総称される波動の伝播形態が注目を集め、レーザー等への応用が期待されて光WGMの研究が盛んになされている。このようなWGMをよりよく理解するためにその流れを時間を追って観察したいという要求が生じてきている。しかし、光波の時間発展や空間分布を観察するためには時間・空間で極限的な分解能を要し、一般的に非常な困難を伴う。そのために光WGMの時間空間発展を観察した例は過去に無い。一方、弾性波の観察においてはその伝播速度の遅さと周波数の低さによって極限的な分解能を必要とせずにその観察が可能である。そこで、本研究では伝播が比較的容易に可視化可能な弾性表面波を用いてWGMの時間空間可視化を試み、その伝播の特徴を抽出する解析を行った。 新たに考案した光学系を活用し、表面円形微細構造における弾性表面波の光励起、光干渉計測を時間空間領域で行った。弾性波を円盤の縁で励起して表面の振動を介して弾性波を観測することにより、円形構造の縁に沿って伝播する弾性波、すなわちWGMの伝播を始めて動画として捉えることに成功した。得られた二次元動画より特徴を抽出して理解するため、今回は二種類の空間・時間フーリエ変換を用いて二種類のスペクトルを取得した。結果、任意方向の分散関係を導くことや位相速度や群速度の決定、WGMの寿命の評価を行え、弾性波の微細構造における局在の様子も明らかにされた。また、観測結果は時間情報を有しているため、適切なフーリエ解析を用いることで任意周波数の波面や位相分布を求め、波面を評価することも成功した。
|
Research Products
(2 results)