2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J04292
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大石 義彦 北海道大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 抵抗低減 / 気泡流 / 乱流 / 乱流構造 / チャネル流れ / 可視化計測 / 画像処理 / PTV(粒子追跡法) |
Research Abstract |
気泡のまわりに如何なる流れ場が誘発されてレイノルズせん断応力を低下させるのか,という現象論上の因果関係を可視化実験によって解明することが本研究の目的である.本研究は気泡の大きさに着目し,数百μmオーダの電気分解による気泡と,数mmオーダの空気気泡の気泡挙動及び気泡周りの流れを計測した.特に,前者は微小板状トレーサ(kalliroscope)による渦構造の可視化と微細気泡混入による効果を,後者は単一気泡周りの流れを調査した.以下に気泡直径別に研究成果の詳細を記述する. 1.マイクロオーダ気泡 マイクロオーダ気泡の計測に当たり,流れ場の乱流構造の可視化が重要となる.本研究ではまず,乱流構造の可視化を試みた.可視化用のkalliroscopeを用い,高速度カメラによる撮影により,乱流構造の特徴である縞模様が確認された.得られた画像を基に,画像処理による特徴抽出からその縞模様がスパン方向に傾きながら流れ方向に伸張していることが確認された.これにより撮影された構造が縦渦構造であることが確認された.次にマイクロオーダの気泡を乱流中に混入させ,可視化された乱流構造の変化を観察した.このときマイクロオーダの気泡は電気分解により発生させ,直径はおよそ200μmであった.気泡混入後,高速ビデオカメラによる撮影より乱流構造は縞模様から斑点模様に変化した.また,乱流構造は微細気泡の移流速度とほぼ同じであることが確認された.これらにより微細気泡が乱流構造に影響を及ぼすことが示された. 2.ミリオーダ気泡 10mmから100mmの単一の気泡を混入させ,気泡周りの流れをPTV(Panicle Tracking Velocimetly,粒子追跡法)によって解析した.気泡の上流側で乱流摩擦に寄与するsweep現象と類似した運動量交換が起き,せん断力の直接計測による結果と一致することが確認された.100mmオーダの比較的大きな気泡は,100mmより小さな気泡と異なり,気泡の上流側で運動量の逆交換が起き,摩擦抵抗を低減させる効果があることが確認された.
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Research Products
(8 results)