2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J04342
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂田 幸辰 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | パタン分類 / テスト特徴分類器 / 重み付き投票処理 / 逐次学習 |
Research Abstract |
パタン分類の技術はパタン解析の分野で最も重要なもののひとつであり,日々,より高速で,より頑強な分類法の開発が研究されている.時間の経過と共に新しい訓練データが与えられ,それらを有効に利用することによりできるだけ高性能な識別器を実現したいような実応用分野においては,逐次学習アルゴリズムは必須のものである.本研究の目的は,ノンパラメトリックなパタン分類法として提案されたテスト特徴法(TFC)に基づく,独自の逐次パタン学習アルゴリズムを提案し,その実応用における可能性について検討することである.本年度の我々の研究成果は以下の通りである. 【1】重み付き投票処理によるTFCの性能向上 TFCに信頼度に基づく重み付き投票処理を導入することにより識別性能・安定性を向上させた.重み付きTFCの有効性の確認と考察を実データを用いた実験によっておこなった.その結果,重み付き投票処理の導入によってTFCの性能を改善できることを確認した.また,改善値は学習の習熟度が低い段階で特に効果的であり,提案手法によって同じデータからより高性能でより安定した性能の分類器を構成することが可能となる.本実験で使用したデータは半導体製造ラインから得られた実データであって,各クラスのデータ数にばらつきがあり総数もそれほど多くはない.このような問題に対して高い安定性を発揮することは,実問題への応用という点から見て有効である. 【2】重み付きTFCの逐次学習への拡張 【1】で提案した重み付きTFCに基づく独自の逐次学習アルゴリズムを提案した.逐次学習に対する重み付きTFCの特性の検証を実験によっておこない,重み付きTFCがTFCに対して優れた性能を発揮することを確認した.また,前実験と同様に学習の習熟度が低い段階での性能向上が顕著であり,これは十分な数のデータを確保できず学習の習熟度が低い学習初期段階において有利な特性である.
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