2006 Fiscal Year Annual Research Report
根圏リン栄養環境の制御に向けた植物-根圏細菌間相互作用の解析
Project/Area Number |
06J04350
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
海野 佑介 北海道大学, 大学院農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | メタゲノム / 土壌微生物 / リン資源 / 根圏 / ホワイトルーピン / 共生 / マメ科 |
Research Abstract |
近年,リン資源枯渇の危機感からリン利用効率向上が求められている.マメ科の作物ホワイトルーピンが示す低リン耐性の一助として,根圏土壌に棲む微生物の関与が示されてきた.しかし土壌微生物の99%以上は実験室内での培養が困難であるため,根圏微生物叢の詳細は未だ不明瞭である.そこで本研究において我々は,メタゲノム的アプローチを用いる事によって培養を介さずに根圏微生物叢の機能的多様性解析を試みた.これまでの研究から (1)メタゲノム解析に必要とされる高純度かつ断片化されていない土壌DNA抽出法を確立した. (2)多量のDNAを獲得することが困難な根圏土壌サンプルに対しては,Multiple Displacement Amplification(MDA)法を最適化する事で必要量のメタゲノムDNAを獲得する方法を確立した. (3)土壌を対象とする場合,その多様性の高さがメタゲノム解析を行う際の障害となるが,本研究において我々はSuppressive Subtractive Hybridization法をメタゲノム解析に採用する事で,対象とした土壌サンプルに対しても安価かつ補完的にメタゲノム解析を行う事が可能であることを明らかとした. (4)こうして獲得した3種の根圏土壌特異的DNA断片をパイロシーケンス法により解析し,10Mbp以上の配列情報を獲得した. (5)獲得した配列情報をもとに比較メタゲノム解析を行い,各サンプリン地点に特異的な配列を抽出する事に成功した. 現在,得られた配列情報をもとにしてサンプル間の比較解析に加えて,機能アノテーションを試みている.
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