2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J04355
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
横江 未央 北海道大学, 大学院農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 米 / 官能評価 / 理化学測定法 / 年齢間差 / 地域間差 / 食味推定モデル |
Research Abstract |
1.米の官能評価の精度に与えるパネル数の影響 米の食味の評価に官能評価法は欠かせない。旧食糧庁の米の食味試験実施要領では官能評価のパネルは24名としている。しかし,実際には24名以下で官能試験を行った報告も多く見られる。米は日本人の主食であり多くの人が日々食べ慣れているため,訓練されていない人も官能試験のパネルになり得ると考える。そこで官能試験の経験がないパネルで官能試験を行うときパネル数が米の食味評価の精度にどのように影響するかを検討した。その結果,米の官能試験では訓練されていないパネルでも36名以上で行うことにより,精度が良い官能評価が可能であることがわかった。 2.米の食味評価におけるパネルの年齢間差と地域間差 食べ物に対する嗜好には年齢間差や男女間差があるとされる。近年,わが国で生産される米の食味は押し並べて向上しており,さらに以前にも増して広範囲に全国で米が流通している。よって,米の食味評価の年齢間差や地域間差は小さいと予想される。そこで,米の大消費地である東京,大阪,札幌において,さまざまな年代のパネルで官能試験を行った。その結果,米の食味評価においては年齢間差と地域間差は認められなかった。 3.理化学測定法による市販精米の食味と品質の評価 官能評価法はヒトの五感をセンサーとして食味を総合的に評価する最も基本的な手法である。しかし官能評価には,多量の試料と多数のパネルを必要とするため,少量の試料で簡便に食味や品質を測定できる理化学測定法が望まれている。そこで,近年開発された理化学測定法を用いて市販精米の食味推定モデルの構築を試みた。その結果,現在わが国で市販されている精米は良食味品種の選択淘汰のため食味の変動幅が小さく,また官能試験における測定誤差もあり,作成した食味推定式の寄与率は70%であった。
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