2006 Fiscal Year Annual Research Report
衛星観測と海洋観測を組み合わせた円石藻類ブルームモニタリング手法の開発
Project/Area Number |
06J04371
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
飯田 高大 北海道大学, 大学院水産科学研究院, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | リモートセンシング / 生態系モデル / 長期変動 / 気候変動 / 植物プランクトン / 海洋光学 / 円石藻類 |
Research Abstract |
本年度の研究として、ロシア気象水文研究所所属のクロモフ号によるオホーツク海航海による生物・光学観測及び衛星観測による植物プランクトン分布の解析と、オホーツク海・ベーリング海における植物プランクトンの時空間変動に関する研究を遂行した。 オホーツク海における研究観測航海では、特に本研究課題に関わる項目としてHPLCによる色素分析、PAMによる光合成活性及びハイパースペクトルセンサーによる光学観測を実施した。光学観測では、海面における反射屈折の影響を最小限にするために、光学測器を設置した漂流ブイを開発し、TriOS社のRAMSESハイパースペクトルセンサーを直接取り付け、観測を行った。測定したスペクトルパターンは数種類に分けられ、443nm付近と550nm付近の反射率比が大きいパターン、550nm付近の反射率が非常に大きいパターン及び490nm付近の反射率に対して550nm付近の反射率が相対的に小さくなるパターンが見られた。それぞれのパターンが見られた観測点のHPLCによる生物観測からはケイ藻類が非常に高濃度で存在する海域と、緑藻類やシアノバクテリアが優占する海域に分けられた。これらのことから、ハイパースペクトル観測により、植物プランクトンを光学観測や衛星観測により群集レベルで分類できる可能性が示された。 オホーツク海・ベーリング海における植物プランクトンの時空間変動に関する研究は、衛星データ解析と生態系モデルによる解析を行い、気候変動との関連を明らかにした。本研究では、衛星リモートセンシングと生態系モデルを組み合わせて解析することにより、春季におけるオホーツク海、ベーリング海の広範囲かつ大規模なCh1-a濃度の時空間変動とそのメカニズム、さらに地球規模の気候変動との関係を定量的に明らかにした。
|
Research Products
(2 results)