2006 Fiscal Year Annual Research Report
注意欠陥/多動性障害の事象同定プロセスにおける認知特性の解明
Project/Area Number |
06J04403
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
澤木 梨沙 北海道大学, 大学院教育研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 注意欠陥 / 多動性障害 / 事象関連脳電位 / 注意 / 逸脱情報処理 / P300 / P3a / P3b / 発達障害 |
Research Abstract |
注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の認知メカニズムを明らかにするため,事象関連脳電位(ERP)を用いて以下の4つの研究を行い全て学術雑誌に発表した. 1.AD/HD症状の程度と注意資源配分の効率性との関連性を検討した.刺激逸脱性の低い妨害情報に対して,AD/HD症状の程度が低い者は注意資源を少ししか配分しないが,AD/HD症状の程度が高い者はより多くの注意資源を配分していることが明らかになった.この研究成果をNeuroscience Letters誌に発表した。 2.この研究成果を踏まえ,AD/HDの認知メカニズムに関する研究をレビューし,行動科学誌に発表した. 上述の研究から,AD/HDの認知メカニズムには逸脱情報処理が深く関与していることが示唆されたことから,以下の基礎研究を行った. 3.逸脱情報処理と刺激文脈との関連性を検討した.標的検出が容易な文脈事態では非標的刺激は課題関連情報として処理が進み,一方,標的検出が困難な文脈事態では非標的刺激は妨害情報として処理されることが示された.このことから,刺激文脈により逸脱情報処理が変容していることが明らかになった.この研究成果をClinical Neurophysiology誌に発表した. 4.更に,逸脱情報処理における刺激文脈効果の注意メカニズムについて検討し,逸脱情報に対する注意捕捉の程度が刺激文脈により変容することが明らかになった.この研究成果をPsychophysiology誌に発表した.
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Research Products
(4 results)