2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分化誘導を目指したプロテオグリカン様糖鎖フィルムの創製
Project/Area Number |
06J04414
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
神谷 亮介 Hokkaido University, 大学院・理学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 糖鎖 / 細胞膜 / ポリマー / 細胞表層工学 / 人工リガンド |
Research Abstract |
分子認識機能を有する生体分子を導入した基材を用いて、再生医療を目的とした細胞培養研究が盛んに研究されている。昨年度までに新規な人工認識リガンド固定基板を作製し、細胞培養および細胞選択的誘導材料の開発を行ってきた。今年度は細胞表面に高分子を用いて人工認識リガンドを導入する手法、およびそのリガンド認識能を利用した細胞の接着制御を行った。細胞表面がアニオン性であることに着目し、カチオン性高分子を静電相互作用によって細胞表面に固定化する本手法は、従来法に比べ低毒性且つ長時間人工リガンドを細胞表面に提示出来ることを見出した。高分子に導入するアミノ基の級数の違いにより細胞上での局在が大きく変化し、細胞表面への局在には2級アミノ基の導入が最適であることを示した。この2級アミノ基提示高分子は、細胞培養条件において他のカチオン性高分子とは異なり、高分子中の2級アミノ基の電離度が低く棒状構造を有しているため、細胞内への取り込みが抑制され細胞表層に保持されることを明らかにした。また、高分子により細胞表面に提示したリガンドの特異的な結合を利用することで、細胞-基板間および細胞-細胞間の接着制御を行い、細胞アレイおよび細胞シートの作製が可能であった。これらの結果は、カチオン性ポリマーによる細胞表層修飾法が細胞を用いたバイオセンサーの構築のみならず、近年注目されている再生医療実現に貢献する有用な技術である事を他に先駆けて見出したことを意味している。
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Research Products
(3 results)