2007 Fiscal Year Annual Research Report
無顎脊椎動物を用いたMHC領域の比較ゲノム解析および免疫系の多様性に関する研究
Project/Area Number |
06J04438
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
笠松 純 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 無顎類 / 2R仮説 / FISH / MHCパラロガス領域 / ゲノム重複 / VLR / APAR |
Research Abstract |
有顎脊椎動物の適応免疫系はTCR/BCR/MHCという主要分子群によって担われているが,無顎脊椎動物を境としてそれらの分子群は発見されておらず,無顎脊椎動物は脊椎動物の進化や適応免疫系の起源・進化・多様性を考える上で重要な生物群である.本研究では無顎脊椎動物のヌタウナギを研究材料として、以下の研究を行う.1.FISH法を用いて,MHCパラロガス領域を指標とした「2R仮説」の検証,および既存のMHC領域の形成過程を調べる.2.TCR/BCRの祖先型遺伝子と思われるAPARについて,機能・シンテニーの観点からTCR/BCRとの進化的関係を考察する.3.無顎脊椎動物の新規抗原レセプターであるVLRに関する研究.加えて,今年度はもっとも原始的な脊索動物であるナメクジウオのゲノムプロジェクトに参加した.その結果,この生物種にユニークな遺伝子群を同定した. 1.ヌタウナギBACクローンを用いたFISH法を開発し,MHCアンカー遺伝子をマッピングしたところ,少なくとも2つ以上のMHCパラロガス領域の存在が示唆された.しかしながら,ナメクジウオ類MHC様領域に存在している遺伝子群は保存的である一方,ヒトMHC領域で見られる遺伝子群の多くは連鎖していなかった.これらのことから,最低2回のゲノム重複が示唆されるものの,メクラウナギ類MHC領域と有顎脊椎動物MHCパラロガス領域群で保存されている遺伝子群は少ない可能性が考えられる現在,投稿論文作成と追加実験を行っている.2.現在,抗APAR抗体を作成中であり,作成終了後に予定された実験を遂行する.3.ナメクジウオのゲノムプロジェクトに参加し,約400個以上のVLR様遺伝子群(LRR-containing genes)を同定した.それら遺伝子群の推定アミノ酸配列には高い多様性があり,免疫関連遺伝子として機能している可能性が考えられる.
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Research Products
(5 results)