2008 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞への革新的遺伝子デリバリー技術を基盤とした抗腫瘍DNAワクチンの開発
Project/Area Number |
06J04448
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森口 留美子 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ワクチン / 樹状細胞 / 癌 / リポソーム / SOCS1 / siRNA |
Research Abstract |
最終年度はこれまでに構築及び改良を行ったベクターを用いて、樹状細胞への核酸の導入及びin vivo抗腫瘍効果について検討を行った。 1.タンパク質封入リポソームを用いた抗腫瘍効果評価 オクタアルギニン(R8)を修飾したリポソームにTLRリガンドを組み込み、in vivoにおける細胞障害性T細胞(CTL)誘導能及び抗腫瘍効果を評価した。その結果、TLR3のリガンドである合成二本鎖RNAをR8リポソームに抗原と共封入することによってin vivo CTL誘導能が著しく増強された。また、CTL誘導能と相関する抗腫瘍効果が認められた。 2.機能性核酸の樹状細胞への導入 続いて、機能性核酸であるsiRNAのマウス骨髄由来樹状細胞への導入について検討を行った。GAPDHに対するsiRNAをsiRNAの細胞質送達のために最適化した新型MENDに封入し、樹状細胞へ導入した。その結果、市販のsiRNA導入試薬を上回る高い効率でGAPDHの発現を抑制することに成功した。 3.SOCS1ノックダウンによる樹状細胞の抗腫瘍効果増強 JAK/STAT経路を介するサイトカインシグナル伝達の負のフィードバック分子として機能するSOCS1の発現をsiRNAによりノックダウンすることで樹状細胞の免疫誘導能を増強可能か否かについて検討を行った。その結果、新型MENDを用いたSOCS1に対するsiRNAの導入により、SOCS1の発現が顕著に抑制され、またIFN-γ刺激に対するシグナル伝達の増強及び、サイトカイン産生量の増加が認められた。さらに、SOCS1,をノックダウンした樹状細胞を投与したマウスでは、コントロールのsiRNAを導入した樹状細胞を投与したマウスに比較して、より強い抗腫瘍効果が認められた。
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Research Products
(6 results)