2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規γセクレターゼ活性制御因子の機能解析とアルツハイマー病発症における関与
Project/Area Number |
06J04454
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
水丸 智絵 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | APP / Aβ / AID / 細胞内輸送 / 糖鎖修飾 |
Research Abstract |
1.これまでに我々は、培養細胞においてAIDがアミロイド前駆体タンパク質(APP)と相互作用し、Aβ産生を抑制することを示していた。また、AID共発現時にγセクレターゼ複合体構成因子の一つであるPEN-2がTritonX-100不溶性画分へ移行していることを示していた。そこで、AID欠失変異体を用いて共役免疫沈降法を行い、AIDとPEN-2の結合部位同定および、結合部位を欠失した際にAIDによるPEN-2のTritonX-100不溶性画分への移行性が見られなくなるかを検証したが、いずれのAID欠失変異体においてもPEN-2との結合およびTritonX-100不溶性画分への移行が認められ、機能部位の同定にはいたらなかった。APP同様、PEN-2も膜貫通部位にてAIDと相互作用している可能性が高い。 2.前年度までの研究で、AIDがAPPの細胞内輸送に影響を与えている可能性が考えられたため、AID共発現時のAPP細胞内局在の変化について検討を行なった。培養細胞に蛍光タンパク質を融合させたAIDおよびAPPを単独あるいは共発現させて共焦点顕微鏡にて観察を行った結果、APPは単独発現時にはゴルジ体とその周辺にVesicle状の局在が確認できるが、AID共発現時にはVesicle状の局在が認められなくなった。また、全反射顕微鏡にてAPP単独およびAID共発現時のAPPを含むVesicleの動きを観察した結果、APP単独ではVesicleが盛んに輸送されている様子が観察されたが、AID共発現時はほとんどVesicleが認められなかった。このことから、AIDはAPPの細胞内輸送を抑制することで代謝を制御し、結果としてAβ産生が抑制されていると考えられるため、AIDによるAPP細胞内輸送制御について検証を行っている。
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Research Products
(1 results)