2008 Fiscal Year Annual Research Report
空間分解近赤外分光法を用いた筋組織酸素濃度イメージング装置の開発とその応用
Project/Area Number |
06J04457
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
ケック KJ Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 近赤外光 / 筋 / 組織酸素飽和度 / 酸素消費量 / 時間・空間解析 / 運動負荷 / 筋代謝モデル / イメージング |
Research Abstract |
本研究では,スポーツ医学やリハビリテーション医学の分野における筋組織酸素濃度イメージングの基礎を確立すること目的として,絶対値計測が可能な空間分解近赤外分光法を用いた筋組織酸素濃度分布のイメージング装置を試作し,運動負荷時筋組織酸素飽和度などの時空間解析を行った。以下に,研究成果の概要をまとめる。 (1)イメージング装置のハードウエアとソフトウエアを開発した。プローブは運動時におけ筋の動きの影響を受けにくい分離型とし,小型化と高S/Nを配慮して設計・試作した。 (2)開発した装置を用い,以下のような時空間解析を行った。 (i)同一筋内での筋組織酸素濃度分布のイメージング例として,異なる運動強度で等尺性膝伸展運動を行い,大腿直筋の酸素飽和度の時空間変化を計測した。運動強度によって最低値も異なり,酸素飽和度のイメージングが筋組織酸素化動態の把握に極めて有用であることを示す結果を得た。 (ii)異なる筋での多点計測として,大腿部の膝伸筋群にプローブを装着し,異なる等尺性膝伸展運動を行ったときの各筋の酸素飽和度の時空間変化を計測し,わずかな運動様式の違いも明瞭に把握できることを確認した。 (iii)スポーツ医学における定量的評価手法の有用性確認のために,一般成人と漕艇競技選手を対象に足踏み込み運動による膝伸筋群の筋組織酸素濃度分布を計測し,運動選手の筋組織中の全ヘモグロビン・ミオグロビン濃度が一般成人より約20%高いこと,大腿直筋,外側広筋に比べ内側広筋の酸素回復速度が約1.5倍速いこと,運動選手の回復速度は一般成人より約2倍速いことを明らかにした。 (3)近赤外分光法実測値と筋代謝の因果関係を推測するため,エネルギー生成系と酸素運搬系を考慮した筋代謝モデルの作成を行い,運動時と運動終了後の酸素消費量などの経時変化を実測とシミュレーションで比較し,時間変化を忠実に再現できることを確認した。
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Research Products
(3 results)