2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J04470
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平木 岳人 北海道大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 廃棄アルミニウム / 廃棄シリコン / 水素製造 / 高圧水素 / アルカリ水溶液 / ゼオライト / 水酸化アルミニウム / 亜臨界 |
Research Abstract |
これまでの研究で廃棄Alを利用した高圧水素の製造および回収に成功したが、その反応機構は明らかになっていなかった。そこで送液するNaOH水溶液濃度と設定圧力が高圧水素発生特性に及ぼす影響を検討した。そこでは、NaOH水溶液濃度が5.0Mのとき、高圧水素発生挙動はいずれの設定圧力においてもほぼ同じであり、短時間で高圧水素を回収できた。NaOH水溶液濃度が1.0Mのとき、臨界圧力(22.1MPa)以下の設定圧力では高圧水素の発生速度が比較的小さかったが、臨界圧力を超える30MPaの設定圧力下では5.0M-NaOH水溶液を使用した場合と同等の発生挙動を示した。これは反応場が亜臨界状態になり水がアルカリ水溶液の働きを補ったと考えられた。以上の結果は、廃棄Alと低濃度のアルカリ水溶液から高圧水素を容易に直接合成できる可能性を示唆した。 廃棄Alからの水素およびAl(OH)_3製造プロセスを提案し、水素は高圧状態での回収を試み成功した。水素とともに回収できる溶液はNaAl(OH)_4が主成分で、Al(OH)_3を晶析させることができれば有価物を得るとともにNaOHを回収できる。一方、廃棄Siをアルカリ処理して得られるNa_2SiO_3と、上記のNaAl(OH)_4は、吸着剤や触媒など多用途なゼオライトの原料となる。そこで、新たな研究展開として、廃棄Alと廃棄Siを同時にアルカリ処理し、水素とゼオライトをコプロダクションするシステムについて検討する。そこでは、廃棄Si、廃棄AlおよびNaOH水溶液を原料とし、同一反応器内で処理することで、直接的かつ簡易に水素とA型あるいはX型ゼオライトをコプロダクションすることを目的とする。主として原料純度および形状が製品純度に与える影響を調査し、また原料投入量(Si/Al比)を調整し、A型およびX型ゼオライトの選択的合成を試みる。
|