2007 Fiscal Year Annual Research Report
動的環境下において状況認識と予測に基づく即時対応を可能にする学習システムの実現
Project/Area Number |
06J04475
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西田 京介 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Concept Drift / 変化検出 / 確信度 / オンライン学習 / 機械学習 |
Research Abstract |
情報科学の発展によって人類が創り出すデータ量は爆発的に増大している.このため,大量のデータから入出力関係や知識表現を抽出する機械学習の需要が高まり,現在では高度情報化社会を支える基盤技術の一つにまで成長した.ここで,順次与えられるサンプルを追加的に学習するオンライン学習,特に,学習対象の基となる統計的な性質が時間と共に変化する環境下での学習については多くの課題が残されている.この変化はconcept driftと呼ばれ,緩やかな変化のみならず,突然かつ大きな変化をも含む.今後は様々な分野において,幾多の変遷を経ながら大量に創出され続けるデータを処理するために,逐次的・追加的に学習可能な,そして高い順応性を持った学習システムがより一層必要となる.本研究ではこのような学習システムを提案するため,「高速かつ正確な変化の検出」と「周期的な変化発生の予測と事前知識としての利用」の実現を目標としている.本年度はこれらの目標のうち,「高速かつ正確な変化の検出」について学際的に研究を行い,多数の成果を挙げた.特に,認知科学的アプローチによって,「最近の分類精度が高い状況で確信度が高い分類が短期間に連続して否定されるほど,人間は変化を高速に検出できる」という知見を行動実験から獲得し,『人間行動に得た突然かつ重大な学習対象変化の検出法』に関する成果を電子情報通信学会論文誌に発表した.また,統計的アプローチによって,「concept driftの発生が引き起こすオンラインクラス分類器の最近の予測精度の急激な悪化」を検定によって検出する方法を提案し,国際会議にて発表した.さらに,これまで取り組んできたconcept driftに関する研究を応用し,『統計的手法と事例べース手法を併用したスパムフィルタリング』に関する成果を電子情報通信学会論文誌に投稿した.
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