2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ耳下腺でのナトリウム重炭酸イオン共輸送体の分子基盤の解明:複合体形成の可能性
Project/Area Number |
06J04516
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山口 聡一郎 Hokkaido University, 大学院・獣医学研究科, 特別研究員(DCI)
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Keywords | 起電性Na+HCO3-共輸送体 / NBC / 重炭酸イオン輸送 / パッチクランプ / Yeast two-hybrid / ウシ耳下腺 |
Research Abstract |
昨年度Yeast two-hybrid法を用いたウシ耳下腺cDNAライブラリーの探索によりNBCe1-BのN端領域との結合タンパク質候補として浮上した2種類のタンパク質(以下、AとB)について、以下の実験を行った。正確性の高い酵素による増幅反応によりウシ耳下腺から得たAとBのcDNAを用いて、Yeast two-hybrid法でのNBCe1-BのN端領域とAあるいはBとの相互作用を再確認した。共免疫沈降法による実験により、ウシ耳下腺でのAあるいはBとNBCe1-Bとの内因性の相互作用を明らかにした。また、AとB同士も結合しうることが明らかとなった。続いてAあるいはBの相互作用がNBCe1-B機能に与える影響を調べるため、NBCe1-Bを安定的に発現させたHEK293細胞にAあるいはBを一過性に発現させ、パッチクランプ法によりNBCe1-Bの輸送活性の指標となるNBCe1-B電流を測定した。すると、AあるいはBを共発現させた細胞を用いた場合、コントロールとなる発現ベクターを一過性にトランスフェクションした細胞を用いた場合に比べて、ある条件ではNBCe1-B電流が約5倍にまで増加した。これらの成果は上皮細胞での重炭酸イオン輸送に重要な役割を果たすNBCe1-Bの未知の機能調節機構の解明につながるものである。今後は共焦点顕微鏡を用いたAあるいはBとNBCe1-Bとの共局在を調べる実験等により、その相互作用の有無をさらに検討するとともに、パッチクランプ法の実験によりAあるいはBがNBCe1-Bの輸送活性を増加させるメカニズムの解明も目指していきたい。
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Research Products
(1 results)