2008 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ耳下腺でのナトリウム重炭酸イオン共輸送体の分子基盤の解明:複合体形成の可能性
Project/Area Number |
06J04516
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山口 聡一郎 Hokkaido University, 大学院・獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 起電性Na+HCO3-共輸送体 / NBC / 重炭酸イオン輸送 / パッチクランプ / Yeast two-hybrid / ウシ耳下腺 |
Research Abstract |
Yeast two-hybrid法を用いたウシ耳下腺cDNAライブラリーの探索によりNBCe1-BのN端領域との結合タンパク質候補として浮上した2種類のタンパク質(以下、タンパク質Aとタンパク質B)について、以下の実験を行った。共焦点顕微鏡を用いたimmunocytochemistryの実験により、分離したウシ耳下腺腺房細胞において、NBCe1-B、タンパク質A、およびタンパク質Bが発現し、形質膜上にそれらが集積し共局在している傾向が見られた。導管細胞と思われる細胞からはいずれのシグナルも検出されなかった。また、タンパク質AあるいはBをNBCe1-Bと共発現させたHEK293細胞を用いた実験でも、タンパク質AあるいはBとNBCe1-Bの共局在を示唆する結果が得られた。さらに、関連する実験テーマとしてNBCe1-Bの輸送活性が細胞内Mg^<2+>によって抑制され、その抑制作用にNBCe1-Bの特異的N端領域が関与することを明らかにしたことから、N端領域に結合するタンパク質AあるいはBの共発現によるNBCe1-Bに対する細胞内Mg^<2+>の抑制作用への影響を調べた。HEK293細胞にタンパク質AあるいはBとNBCe1-Bを共発現させ、パッチクランプ法によりNBCe1-B電流を測定したところ、条件によっては共発現により細胞内Mg^<2+>による抑制作用が減弱することが明らかとなった。これはタンパク質AあるいはBの結合によるNBCe1-Bの活性化のメカニズムに細胞内Mg^<2+>による抑制作用が関与する可能性を示唆する結果である。以上、本研究によりNBCe1-Bに対する新たな相互作用タンパク質が明らかとなり、それらによる機能的修飾のメカニズムの一つの可能性を提唱することができた。現在、これらの成果を論文としてまとめているところである。
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Research Products
(1 results)