2006 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ耳下腺でのナトリウム重炭酸イオン共輸送体の分子基盤の解明:複合体形成の可能性
Project/Area Number |
06J04516
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山口 聡一郎 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 起電性Na+HCO3-共輸送体 / NBC / 重炭酸イオン輸送 / バッチクランプ / Yeast two-hybrid / ウシ耳下腺 |
Research Abstract |
ウシ耳下腺腺房細胞における起電性ナトリウム重炭酸イオン共輸送体(以下、NBCeと略)の分子複合体の実体を解明することを目的とし、以下の実験を行った。 1、炭酸脱水酵素との共発現:ウシ耳下腺腺房細胞におけるNBCe1-Bとの結合タンパク質の候補として、NBCe1-Bと相互作用する可能性が議論されている炭酸脱水酵素(CA)IIあるいはCAIVをNBCe1-Bと共発現させ、パッチクランプ法でNBCe1-B電流の解析を行ったが、NBCe1-Bを単独に発現させた場合と比較して変化は今のところ見つけられていない。 2、新規結合タンパク質の探索:NBCe1-Bとの新規結合タンパク質を明らかにするために、Yeast two-hybrid法による実験系を立ち上げた。プレイとしてウシ耳下腺由来のcDNAライブラリーを作製し、ベイトとしてNBCe1-Bの細胞質内に存在するN端およびC端領域をそれぞれ用いたところ、N端領域を用いた実験では9種類、C端領域を用いた実験では10種類の結合タンパク質候補のクローンが得られた。それらの中でN端領域と結合する可能性が示唆された一つのクローン、およびそのクローンと類似配列を持つが異なる遺伝子であるもう一つのクローンに注目して実験を進めることにした。RT-PCR法でそれぞれのクローンのmRNAがウシ耳下腺で発現していることを確認し、High fidelityの酵素を用いて得られたcDNAをクローニングし、シークエンスを明らかにした。 今後は得られた結合タンパク質候補をNBCe1-Bと共発現させてNBCe1-B機能への影響を電気生理学的手法により調べると共に、それらのNBCe1-Bとの結合や共局在を生化学的あるいは組織学的手法により明らかにしていく予定である。
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